GW合宿(前編)奥穂高岳・ジャンダルム

日 程 2024年05月03日(金)-2024年05月06日(月)
ルート 奥穂高岳〜ジャンダルム
メンバー L 石綿、古関、福田、渡邊、金

一日目:上高地→涸沢
二日目:涸沢→奥穂高岳→ジャンダルム
三日目:涸沢→北穂高岳東陵
四日目:涸沢→上高地

3月に入会しました新人会員の金です。
GWに参加した穂高合宿の前半(一・二日目)を報告します。
<一日目>
前日0時に夜行で沢渡駐車場に到着。バスターミナルの軒下でゴロ寝をしていると、なにやら硬い棒で寝袋をつつかれる。朝4時に出勤してきた係員に起こされたようです。道の駅など指定管理者に依託されている施設が多くなり、最近はゴロ寝やテントを張れる場所が少なくなったと感じます。

▲河童橋の朝
始発バスより先にタクシーで上高地入り。朝モヤと水景を楽しみながら涸沢までの道のりを歩き始めます。途中、屏風岩では古関先生によるルート解説と初登攀の歴史講義があり勉強になりました。本谷橋から積雪あり。合宿中は好天気に恵まれ、暑さでグズつく雪を蹴り込みながらノーアイゼンで涸沢に到着。100張を超えるテントが色とりどりでにぎやかだったのですが、背の高さまでデブリが堆積しており雪崩が心配になりました。一方、トイレが綺麗で、水もとれ、冷えたビールも買える(350ml缶 600円!)、合宿には好適地。OB会員の飛び入り参加もあり、幕内では昔話が盛り上がりました。

▲涸沢の日の出
<二日目>
滝谷隊と奥穂高隊に分かれ、朝焼けの中を出発しました。テン場から奥穂高岳山荘まで休憩無しの涸沢カール一気登り。これが蝸牛の新人教育かと泣きながら登りました。体調不良者発生のため山荘前で隊を再編し、ジャンダルムまで進み飛騨尾根を偵察することに。岳人にとって憧れのジャン。突然訪れたチャンスに心が躍りましたが、楽な道のりではありませんでした。

▲奥穂高岳からジャンダルムを望む
奥穂の雪壁をWアックスで登り馬の背へ。快晴の空に乗鞍・南アルプスまで展望が広がる。岳沢で防災ヘリがホバリングしており、切り立ったリッジを滑落する嫌な予感がよぎる。ロバの耳では斜面が凍結してアックスが入らない。岩稜のトラバースではアイゼンでカニの横ばい。たどり着いたジャンの頂では、到着の安堵より帰りの不安でいっぱいになりました。

▲ジャンダルム山頂
帰路はロープを出して懸垂2回。緩んだ雪に足を取られトラバースで膝を着く場面も、なんとか帰幕できました。 雪山装備での登攀力アップが今後の課題。それなりの重量を担いで縦走してきたつもりでしたが、上半身を使う登攀は緊張と疲労の度合いがまるで違います。しっかりトレーニングをして来シーズンに臨み、場数を踏んで経験を積みたいです。そして、前穂高岳北尾根・涸沢岳西尾根、次の目標を確認できた事が良い収穫になりました。

▲ロバの耳の懸垂

▲馬の背から奧穂高岳へ