北岳バットレス第4尾根

日 程 2024年07月13日(土)-2024年07月14日(日)
ルート 北岳バットレス第4尾根
メンバー 福田、石綿、金、大木

岩登り3ヶ月の一年生会員:金です。
7月海の日3連休に北岳バットレスへ挑戦してきましたので、報告します。

【コースタイム】
1日目:芦安05000600広河原→0900白根御池小屋09301130Bガリ-大滝→14004尾根取付→1830北岳山頂→2130白根御池小屋
2日目:白根御池小屋0830→1000広河原→1045芦安

【登攀装備】
50mダブルロープ×2(各ペア)、フラットソール、カム一式、ハーケン、ミニバイル、他登攀具一式

【感想・課題】

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▲3 連休は梅雨空真っただ中。天気に不安がありましたが、比較的条件の良い初日にアタックを決行しました。乗合タクシ-で広河原へ一番乗り。朝 6 時にはまだ北岳に雲がかかっておらず、今日一日なんとか晴れ男・高気圧ガールに頑張ってもらいたい。

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▲白根御池小屋にテントを張り急ぎ出発。大樺沢には雪渓が残り、冬山の記憶が懐かしく感じました。午前中は青空がのぞき、白鳳峠・高嶺の稜線が夏山の力強さを見せてくれます。午後から天気が崩れる予報なので、取り付きまでの急登を黙々と進みます。

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Bガリ-大滝から登攀開始。取り付きまで雪渓をクライミングシュ-ズで蹴り込みトラバ-スするも、雪が硬く後続の為のステップを上手く作れず。シュ-ズを濡らしてしまいネガティブスタ-ト。

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▲ヒドゥンスラブ。踏み跡が多くアプロ-チが分かりにくい。早朝の暗い時間帯だと迷いやすいかも。この頃から周囲は雲に包まれ視界が悪くなってくる。岩肌が湿り気味なため、ガチホールドでもロープを出すリーダ-。

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▲第4尾根取り付き。ここまで雨に降られず無事に到着。視界は1ピッチ分あるかないか。目の前の岩だけが浮き上がっているような錯覚を覚えます。クラック外側に手がかりがあり、フットジャムで無難に上がれました。

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▲展望が無いのは寂しいですが、高度感が無いので怖さを感じない。古いリングボルトやハーケンが多く、ランニングを取るのをためらう箇所も。クラッシックルートの歴史を感じました。

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3ピッチ目:白い岩。足を目いっぱいに伸ばし細かいフレ-クを拾う。体重を次の足に移すのが滑りそうで怖い。

▲マッチ箱からの懸垂。ガスで下のテラスが見えないのでそろそろと下りる。

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▲赤いスラブの凹角。私は左のスラブへ逃げてしまいハマってしまう。この辺りから雨がポツリポツリ。風も出てきてビレイ中寒くなる。
▲枯れ木テラスからのトラバ-ス。右肩が2010年に崩壊した模様。

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▲最終ピッチ:奥壁城塞のチムニ-。ハングしているので背中で落ちる感が怖い。私はチムニー内に突っ込んでしまい、体を上げられなくなる。足元に水が流れており、シューズのフリクションが効かず踏ん張れなかった。

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▲日没前ギリギリに山頂到着。雲の中、伊那側に薄く夕焼けが残り最高のご褒美に。ヘッデン下山となりましたが充実の15時間行動でした。

経験豊かな先輩のリ-ドで無事完登する事ができました。久しぶりの天泊装備での山行、やはり登山の醍醐味でした。
スタ-トが遅くなり天候悪化が予測される中、登攀スピ-ドのアップが課題となりました。今回はA0してでも短時間で抜ける必要があるケ-スで、天気が大崩れしなかったのが幸いでした。