日 程 | 2025年07月20日(日)-2025年07月20日(日) |
ルート | 奥多摩 つづら岩 |
メンバー | 石、稲っち、塾長 |

【装備 : 50mダブルロープ×2、カム一式、トライカム】
【行動 : 5:00 払沢の滝駐車場 〜 7:20 つづら岩 〜 16:00 払沢の滝駐車場】
新人の稲っちを連れて、マルチピッチ練習会へ行ってきた。
つづら岩は、奥多摩にある古のゲレンデで、リーダーの石さんが以前から気になっていたという場所らしい。今となっては喉から手が出るほど欲しくても手に入らない、菊池敏之さんの「関東周辺マルチピッチルート・スーパーガイド」に載っており、石さんがコピーを連携してくれた。こぢんまりとしているが、なかなか面白そうなルートがありそうだ。久しぶりのゲレンデに不安もありつつ、密かに心躍る。あの岩を眼前にした時の高揚感が堪らないんだよなぁ…。
そういえば、私(塾長)の個人的な登攀記録を確認したところ、マルチピッチのクライミングはちょうど1年前の北岳バットレスぶりだったことが発覚した。そりゃあ不安が募るのも無理はないだろう。エイトノットもおぼつかない事態に驚愕し、久しぶりに家でロープに触ってみたりした。先に8をつくるんだよな、などと我ながら不安を増長してしまう始末。
最寄りの駐車場は千足バス停付近にあるらしく、そこから片道1時間半と前述の書籍には記載があるが、現状どのようになっているのか皆目わからず、我々は払沢の滝の無料駐車場に停める事にして、そこから歩いた。片道2時間半のアプローチとなったが、これがなかなかの苦行である。暫しアスファルトを歩き、林道を辿って行き止まりから山道に分け入るが、季節が悪かったのか、かなりの蒸し暑さ。途中、滝のマイナスイオンに癒されもしたが、最終的に結構な急登に一同根を上げた。危うくアプローチ敗退となるところだった。

▲綾滝
顎を出しヒィヒィ言いながら九十九折りになった痩せ尾根を詰めると、やっとそれらしい威圧的な岩壁が眼前に現れた。

▲どーーん。
この瞬間が、いいのだよ。
一同呼吸を整えて、まずは支点構築の復習。

▲先日確保訓練にて学習済みなので、さらっと
1本目はオケラルート(Ⅲ、2〜3p)に挑戦。石さんリード、稲っち、私の順番で登る。

▲安定した登りを見せる石L

▲絵になる新人稲っち
見た目通り、結構、脆い。浮石を避けつつ岩を掴む。石さん、稲っちは右寄りのギザギザしたカンテを上手に掴みながらダイナミックに格好良く登っていたが、私は足がよくわからず、狭いルンゼ状に体を捩じ込み突っ張りながら登った。正解はなんだったのだろうか。否、アルパインに正解なんてないのだろうか。
続けて再び石さんリード。チョックストーンの下、穴の中を潜りながら登るという珍しいルート。(冬に行った八ヶ岳のクーロワールを思い出す)これがかなりの狭さで、石さんはメットを外して無理やり通り抜けていた。
続いて稲っちも挑むが、あまりの狭さにリタイヤ。ビレイ地点まで戻ってきた。
続いて私も挑戦。いやこれ、本当に狭い。なんというか圧迫感がしんどい。体の各所を僅かに動かしつつどうにか穴から抜け出し、石さんのビレイ地点まで辿り着く。あと1ピッチあるらしいが、これ以上の登攀はやめて、懸垂下降して稲っちのところまで降りる。そこからそのまま懸垂で下部まで降りた。
なんか、変に疲れたね…。体感ではトポのグレードよりも悪い気がする。
休憩してお次は一般ルートへ。2〜3pで下部はⅢ〜Ⅲ+。石さんにリードしてもらう。もう今回はリードは座学?だけで、マルチピッチの体験会って事にしよう。リードは明日山先生と広沢寺に行く予定になっているから、そこでやればいいよね。現場の空気が、そうなりつつあった。

▲下から見ているとなかなかに難しそう
途中でピッチを切ってもらい、そこまで登る。色々ルートが取れるが、稲っちは果敢にも悪そうな直登コースを登っていた。身のこなしが鮮やか。センスが良いのだろうか。

▲飄々と登って行く
最後のピッチは二段ハングルート(V)へと転進。大テラスでルートが交差するのでルートを色々選ぶことができる。少し被り気味の難しいルートだ。石L、私はA0でクリア。稲っちは果敢に挑戦し、敢えなくテンション。次回はA0せずに攻めたい。なんなら1p目から挑戦してみたい。下降は懸垂でも行けるが、右側から歩いて降りられた。

▲トップからの眺めはなかなかの爽快感があった
2本で大分お腹いっぱいになってしまった我々は次の1本を最後に決め、右側のカブリの壁でアブミの練習をする事にした。

コツを掴むまでが大変だ。何事も練習が大切であることを実感した。
まだまだ岩と戯れていたい気もするが、それより何より体力と気力が追いつかず、早々に切り上げて下山する事にした。この、あと少しやりたいのに〜、という後ろ髪引かれる思いが、また次の山行へのモチベーションとなるのですよ。ね。そういう事ですよね。明日、広沢寺だしね()
帰りは行きと違うルートをとり、また別の滝を拝んだ。

▲天狗滝 涼しげな水の音に癒される
街に降りるとアスファルトの照り返しに一同無言になってしまった。こんな灼熱地獄が許されていいのだろうか。とにかく余計な労力を極力省き、黙々と歩いた。
シーズンがアンマッチだったのか、はたまたアプローチが嫌厭されるのか、他には1パーティしか見られなかった。一般ルートを1本登って帰ったようだ。
つづら岩はこぢんまりとしているが、なかなか面白そうなルートがたくさんある。アプローチしやすい時期にでも、是非とも再度来訪したい。
帰りに一汗流そうと、秋川渓谷 瀬音の湯を目指すが、放射状に渋滞するほどの混雑に心折れ、急遽方向転換。30分ほど走って、数馬の湯へと向かった。こちらは空いており、駐車場も難なく停められた。

▲檜の輪切りが浮かぶ、良い湯だった
状況に応じて臨機応変に対応することはアルパインクライミングにも通ずるものがある、と色々な角度から学べた。今日も良い1日だった。
(文:塾長)