赤岳西壁 主稜

日 程 2025年02月09日(日)-2025年02月09日(日)
ルート 赤岳西壁・主稜
メンバー 福、池
■形態:アルパインクライミング
■行動記録
天候:晴れたり曇ったり
行者小屋09:00–主稜取付点10:30–14:20赤岳山頂–地蔵尾根–16:00行者小屋16:30–南沢経由–17:40赤岳山荘
■山行報告
今季、赤岳に執着してリーダーにドン引きされている池です。今回もまたいろいろあり…結局リーダーと2人のリベンジ主稜です。
前回(赤岳南峰リッジに転進)は行者小屋テント泊からのスタートでしたが、今回は早朝美濃戸スタートの日帰り。
蝸牛最弱の私、行者小屋敗退になったらどうしよう…と思いながらも、南沢を歩きながら山の神様にお願いする。 「絶景は望みません、視界があって風なしなら充分です!」
文三郎尾根の樹林帯を抜けると巻雲は出ていない。これなら天気は崩れない、行ける!

▲今日は渋滞なーし!

▲仕事前に
1P チョックストーン
池リード。胎内くぐりできるじゃん…とも思ったけど、それは負けた感じがするので正攻法した。

▲きちんと登りました
2P フェースっぽい所〜リッジ
福リード。サラッと抜けていったけど意外と立っていて私は苦戦。1P目の変化系みたいな感じ。
3P〜5P 階段状の岩、ミックスのリッジ、雪面 ゆるい所はコンテで、束ねたロープはリーダーが持ち基本的には私が先に登る。私が登れる最弱ルートが正解だ!を合言葉に進むと、だいたい合っていた。
4P、ルートにそこまでヤバい所はなかったけど、適切なピナクルがなく申し訳程度のヤバい支点になったことは忘れない。

▲ヤバい支点でリーダーを迎える…
6P 岩のステップ〜リッジ
池リード。登り出しは凹角〜と鼻歌だったけど、その後は雪が中途半端についてホールド・スタンスともに掘り出さないとよくわからないのに、ぶっ立ってる…。
夏なら楽しく登れそうな階段状が、冬はここまで豹変するのかと圧倒された。
ハーケンがあるので間違いないだろうけど、2本取れるルートのうち右側のルンゼ状もぶっ立っていて、右だとロープ流れが最悪かも…と、左側を苦しみながら直登。本気でリーダーに代わってもらおうかと思うレベルで苦しかった。岩場なのでアックスは引っかけるだけ。それを信じて体を上げるしかない、自分との対話の繰り返し。近くにひとつランニング取ったから大丈夫だ、多分!
なんとかリッジに辿り着くと、向こう側はスパーンと切れ落ちていて、独り言で叫びながら慎重に乗越した。
ロープいっぱい間近で最高のピナクルを見つけ、個人的にはここで全てやり切った感…。
支点セットして振り返ると、本で見た撮影ポイントだと気付いた。

▲視界が良くなってきた

▲今回最高支点からリーダーを送りだす
7P 快適な岩場
福リード。「ほんとに快適だ!」と凄いスピードで行ってしまうリーダー。

▲最高のコントラスト

▲数分でこの変化
私は前ピッチでこの日の集中力を完全に使い果たし、だいぶ腑抜けているのと疲れで足取りは重い。ただ前ピッチと比較したら雪面だし草付もあるしアックスがバチ効きするので、確かに快適。
エビのしっぽが沢山ついた巨岩の間を縫って登っていく。登らせていただく、という気分だった。
その後は少しの雪面歩きで山頂(北峰)へ。
しかし登山道にぶつかってしまい、それはちょっと違うなと敢えて登山道を外して山頂標に到達。

▲ねんがんの!主稜をやったぞ!(バテバテ)
願いが通じたのか、天気は南峰リッジの時ほど悪くはならなかったけど、今回もトップアウト時はガッスガス!
私は山頂ガスが宿命のようです。

▲ヨカッタ〜!(今日は目開けられる!)
下山は地蔵尾根から。気は遣うけど、怖さを感じなかったのは成長したようでちょっと嬉しかった。

▲山頂を離れると天気回復。何なん…

▲既視感しかない
折しも最強寒波襲来のタイミングであり敬遠した人が多かったのか、同じ時間に主稜に入っていたのは我々含めて3パーティしか確認できず、他パーティは天候や練度不足から1P目で敗退していたので結局、主稜貸切でした。
リーダー、ご指導くださりありがとうございました。
次は皆でショルダーやりましょう、ね!