GW合宿(後編)北穂東稜

日 程 2024年05月03日(金)-2024年05月06日(月)
ルート 北穂高岳東稜
メンバー 石綿(L)、古関、福田、金、渡邊

一日目:上高地→涸沢
二日目:涸沢→奥穂高岳→ジャンダルム
三日目:涸沢→北穂高岳東陵
四日目:涸沢→上高地

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2024年5月5日
涸沢(5:00)〜東稜(6:30)〜ゴジラの背(7:15)〜東稜のコル(9:00)〜北穂高山荘(10:00)〜北穂高岳山頂(10:30)〜涸沢(12:30)


GW合宿3日目、合宿参加メンバー全員で北穂東稜へ。


涸沢を出発する時、地元の新聞社の方から写真を撮らせてほしいといわれ、隊列を組む(取材の申し込みがあったが、下山後の待ち合わせを失念してしまいました…が、後日しっかり新聞に写真を掲載してくださっておりました!)


北穂沢の末端部、全層雪崩痕の横を歩き始める。早朝から天気良好で、東稜のスカイラインが青空と雪面にはっきりと縁取られていた。


北穂沢の途中、斜度が緩やかになる箇所で小休止。先行していた関西の山岳会の女性パーティー4名に追いつく。声をかけて先を譲ってもらった。最後の強い傾斜の雪壁をじっくり登りきり稜線へ。稜線上からは、北アルプスの中心からの山々が全周囲に広がっている。特に前穂北尾根はやはり圧巻の存在感だった。


快晴無風、陽に当たってあたたかさを感じ、雪もすこし緩み始めているが、まだまだ歩きやすかった。しばらくスノーリッジを歩き、岩場へ到着。ほどなくして、女性パーティーも追いついてきた。我々メンバー5名は2パーティーに分かれて、それぞれ2ピッチロープを伸ばし、ひとしきり、クライミングを楽しんだ。岩はとてもしっかりした感触で快適だった。ホールド、ステップともに豊富だが、両側ともに数100m切れ落ちている高度感には、やはり緊張する。レジェンド古関は「ドンガバチョだよ!」などと余裕のクライミングだった。ゴジラの背から東稜のコルへは、残置のスリングを使って懸垂下降した。


あとはスノーリッジを北穂高山荘のある稜線まで、ゆっくりと極上の眺望を楽しみながら登りきった。春のやわらかい日差しの下、雪面はじわじわ緩んできているので、景色を楽しみつつ、踏み抜きなどには細心の注意を払いながら歩いた。


順調に歩を進めて、10:00に北穂高山荘に飛び出ることができた。山荘まえのテラスで一休み。初合宿の金もホッと一息をついているようだ。


北峰山頂で記念撮影してから松濤のコルへ。石綿が「ちょっと見てくる」と、C沢左俣を数10メートル、クライムダウンして、今回の合宿で予定していた(いろいろ条件が合わず中止になった)滝谷第二尾根の偵察をした。ほんの15〜20分ほどだったが、張り詰めた雰囲気のなか他のメンバーは石綿の様子を見守った。よどみない石綿の動きはいつもほれぼれする。


石綿が無事にコルへ戻り、下山を開始する。北穂沢の下降は、下り口直下がかなり強い急斜面で、ダガーポジションになって慎重に下り始める。恐怖心で身動きが取れなくなっているプリティー山ウーマンがいて心配したが(ガイド役のパートナーがいたので)尻目にした。下降を始めて数10メートルすると少し斜度は緩み、ダガーポジションを終了。雪面はだいぶ緩んでいたので、滑落の心配は少なかった。各々のペースで下降を続け、12:30にはメンバー全員無事に涸沢のテントサイトに戻った。


明日は連休最終日。下山に備えてギアやウエアなどの整理をしつつ、涸沢ヒュッテのテラスで乾杯。合宿の振り返りや、これまでのお山やこれからのお山について語りあった。フォーエバーマウンテン。

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