谷川岳一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜(敗退)

日 程 2024年11月03日(日)-2024年11月03日(日)
ルート 谷川岳・一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜
メンバー 先生、金、池(報告)
■形態:アルパインクライミング
■行動記録
天候:くもり時々雨のち晴れ
4:00谷川岳ICP–7:30テールリッジ半分程で降雨のためブッシュ帯で停滞–8:30雨止み行動再開–9:30中央稜取付部–10:30南稜テラス–15:20馬の背リッジ–15:50最終ピッチトライ–16:00敗退決定、下降開始–21:00中央稜取付部
翌6:00ヒョングリの滝–7:00一ノ倉沢出合–8:00谷川岳登山指導C下山
■山行報告
個人的には初めての敗退で、気持ち的になかなか報告を上げられませんでしたが、2025年7月にやっとリベンジできましたので、遅ればせながら報告します。
天気予報は微妙、風はあったが星空のため駐車場を4時出発。他パーティなし。

▲天気が良ければ争うように取り付くヒョングリも静か

▲衝立モルゲン 綺麗とは言えない…怖い
テールリッジはまずまず乾いていて快調に登るが、リッジ半分ほどで雨が降り出した。
そのためブッシュ帯に避難し1時間停滞。

▲紅葉は素晴らしいけれど

▲やむなく停滞中
雨が止み、雲の動きと出発前の天気予報から行けると信じて再開。
しかし、停滞の間にテールリッジも濡れて悪くなっていた。
中央稜取付に来ると、衝立岩が染み出しでベシャベシャに濡れているのがそこで初めて確認できた。
遠くからこれがわかれば…。
南稜はリッジだから乾いているだろうと信じ、南稜テラスまで慎重に烏帽子スラブを移動。

▲ベシャベシャのヌルヌル…
しかし南稜も結局ヌルヌル、ヌメヌメで難易度3割増。
風も岩も冷たい。天気が悪くならない予報なのが救い。
谷川の無雪期の旬は、前週までだったのだと思う。
1P 30m Ⅳ 凹角からカンテ状〜チムニー
金リード。私は被り気味のチムニーが全くできず、完全に金さんのビレイのお世話になった。

▲青空が見え始める中、ようやくスタート

▲チムニー格闘後に振り返ると絶景
2P 25m Ⅳ 〜20m Ⅱ草付途中
先生リード。濡れていてフェース気味なので私はやたらと恐怖感でガチガチだった。
3P 20m Ⅱ 草付途中〜20m Ⅲ 6ルンゼ側テラス
金リード。手も足もしっかりした所だけど、そこそこ立っていて、ここから烏帽子沢への切れ落ちが目に入ってくる。要は、怖い。
馬の背リッジへの取付までが外傾スラブばかりで滑るためなかなか辿り着けず、6ルンゼ途中からトラバースできるか試すがダメ、6ルンゼ下部の懸垂支点から下降して、正規の馬の背リッジ取付に到達。

▲見た目簡単そうだけど、濡れて悪すぎ
4P 30m Ⅳ 馬の背リッジ
先生リード。馬の背リッジが細かい上に濡れていて滑り、何回か足が空を切ったため私はフォローでも完全に萎縮。

▲青空だけど、時間はヤバい…
5P 20m Ⅴ 垂直のフェース
金リード。5mほどリードトライしたものの、黒々と濡れており先生の最終判断で16時、敗退決定。

▲ナイストライ! でも…

▲敗退の6ルンゼ懸垂
気が遠くなるほど懸垂を繰り返して同ルート下降。
夜であること、3人パーティ、濡れ気味の岩、また長時間行動の疲労で下降もペースは上がらず、
ヒョングリの滝で朝日を浴びながら、翌日の登攀パーティとすれ違い会話を交わしました…。

▲快晴の衝立岩をバックに、朝!
無事に帰ってこられたことはよかったですが、さまざまに課題を残した山行となりました。
ご心配をおかけし、申し訳ありませんでした。