横岳西壁・小同心クラック

日 程 2025年04月20日(日)-2025年04月20日(日)
ルート 横岳西壁・小同心クラック
メンバー 石、池
■形態:アルパインクライミング
■行動記録
天候:くもりのち小雨
赤岳山荘駐車場5:30–7:00赤岳鉱泉7:30–大同心稜–11:00小同心クラック–14:30横岳(奥の院)–地蔵尾根–17:00行者小屋17:30–20:00赤岳山荘駐車場(下山)
■山行報告
八ヶ岳は厳冬期に来てナンボだと思う池です。
天気予報が思わしくなく、でもギリ持ちそう…つまり貸切、の予感。

▲峰の松目沢 下部
今季未踏の大同心稜をアプローチに使ったはいいが、踏み抜き地獄と急登に喘ぎ、大同心基部でHPが赤く点滅する感覚に陥った。

▲踏み抜き格闘

▲踏み抜き格闘・全力版
大同心稜左側に裏同心ルンゼが見えて、心踊る。
やっぱりわたしはアイスルートに食指が動く。

▲まだ行けるのでは…と思えてしまう

▲大同心基部からトラバースは5分だったような(石さん談)気がするけど…

▲結局30分くらいかかった
鉱泉から取付まで3時間半かかってしまった。
福ちゃんなら例会でバッサリ言うだろうな。遅い!って。
1P フェースを左上〜急なチムニー Ⅳ-
池リード。先か後か暫く悩んで、下からルート確認できた1P目をトライ。ダメなら代わってもらおう、と恐る恐る取り付く。勝手がわからないのでアックスは1本を手にして登った。
要所にペツル、ハーケンが打ってある。整備されたルートのようだ。フェースは最弱ラインで何とかなった。問題はチムニー。
急だけどホールドスタンスは沢山ある、との書籍情報通りだけど…やっぱり急なんだよ!!どうやって登るんだよ!と涙目になりかけた所で、突如アイス講習の講師の声が蘇る。
『チムニーの中に入り込むから被るんだよ、傾斜殺すには足はココと、ココ!』
講師の華麗な足捌きも脳内にリフレイン。
すると、できた。呻きながら唸りながら、やり切った。
後から石さんが「いつギブアップするかなーと思ってた」と微笑みながらコメントをくれる。

▲ここから上が1Pの核心
2P 急なチムニー〜左のクラック Ⅳ-
石リード。前ピッチで結局アックス不使用だったので2本とも腰に下げ、フォローなので安心してチムニーを登っていくが、最後のクラックが絶妙な狭さで詰みかけた。
嘘だろ…石さんどうやって登ったの?
全くできなかった北岳バットレスの城塞ハングが蘇る。しかしその記憶が突破口となった。
城塞ハングより狭くて突っ張れそう…そうだ全身使え!と、尻を利用して突っ張りなんとか登る。

▲ここも見えなくなってからが核心
3P バンド〜草付 Ⅲ
池リード。Ⅲはもはや癒しだった。

▲Ⅲ級(右側)
小同心の頭〜頂上直下基部
コンテで移動。
頂上直下
1P やさしいフェース Ⅲ+くらい
石リード。やさしさでキメてくれたカムが抜けない事態になり、石さんはビレイを固定してフリーで降りて来て(!)アックスを差し込んで叩いたりしたけど、開ききってバチ効きしてしまっていた。結果、無念の残置。
今後、小同心を登る皆さんのお助けになれば幸いです…。

▲軽やか、かつ速かったけど…

▲キミのことは絶対にわすれないよ
2P トップアウト
福ちゃんもそうだったけど、山頂を初登攀者に先に踏ませてくれるのは粋だなと思う。ありがとうございます!
そして珍しくトップアウトがガスではない…感動。

▲ヨカッタ〜!
下山は計画の硫黄岳経由を変更し、地蔵尾根経由にしたら悪い雪にトラバースだらけ、一瞬も気を抜けない。
地蔵尾根の樹林帯に入ってやっとホッとしたのも束の間、南沢のほとんどに雪は無く、石ころが露出した道は積雪期のように高速移動ができず、半泣きでヨタヨタと下山。
八ヶ岳は厳冬期積雪たっぷりの時がベストだ、と噛み締めながらの残業でした。

▲南沢も踏み抜きとの闘い

▲帰路、小滝の状況確認。シーズンも終わりですね
ありがとうございました!