中津川水系 魚野川本流

日 程 2024年10月12日(土)-2024年10月14日(月)
ルート 野反湖〜渋沢ダム〜魚野川本流〜小ゼン沢〜群馬県境稜線トレイル〜野反湖
メンバー TAKA  、 NE〜さん


▲魚野川のランドマーク、カギトリゼン

秘境中の秘境と称される魚野川本流、遠くて日数も掛かるのでなかなか行けずにいたが今回10月の3連休を利用してやっと遡行する事ができた。

車1台なのでアプローチは群馬県の野反湖から白砂登山口を出発して〜渋沢ダム〜小ゼン沢〜群馬県境稜線トレイルで野反湖まで戻るルートとした。

渋沢ダムに向かう途中のイタドリ沢周辺はネマガリダケの激薮で何度かルートを見失う、この登山道はこの3年程は薮の刈り払いが行われておらず自然に戻りつつある、今後はこのアプローチはあまりおすすめしない。

長野県側の切明温泉から入山して南ノ沢や北ノ沢(北ノ沢の上部は激薮)を源頭までツメて志賀高原方面に下山するのがスタンダードかもしれないが下山口に車をデポするかタクシー移動する必要がある。


▲野反湖の広い駐車場

10月12日
白砂登山口の駐車場は広く夜にトイレも使える。朝には沢山の車が止まっていたがほとんどの人は群馬県境稜線トレイルや白砂山に行く人だ、登山口では登山相談所が開設され係の方がルート情報の提供と当日に先行2人組PTが居る事や登山届けの受理もしてくれ、我々を暖かく見送ってくれた。

上述の通り渋沢ダムまでの途中では激薮と格闘しアプローチでの体力消耗が激しい…

後続から来た2人組は渋沢を遡行するとの事。


▲イタドリ沢辺りの激薮!

渋沢ダムの少し手前左にピンクテープがあり辿ってみるとクライムダウンで魚野川本流に降りられた、ここで沢装備を身につけて遡行を開始、少し進むと先行していた2人PTが戻ってきた、箱渕のゴルジュを突破できなかったようで撤退するとの事で内心ちょっと不安になる、川幅いっぱいの魚野川、水流に浸からないで遡行するなんて無理な話し、もう10月なので水はかなり冷たかった。

少し歩いて左に千沢を分けた先に桂カマチ、左端を歩くと膝ほどの水量、深く見える流芯は太もも以上で水量多くね?と感じた。


▲桂カマチ

更にその先で先程の2人が引き返した箱渕のゴルジュ、流れが強く水温も低いので泳ぐ気にはなれない、釜の左岸を回り込むようにヘツって水流すぐ右を直上した。

この辺りが前半の核心部になるゴルジュ帯でヘツリとスクラム渡渉を繰り返した。


▲ゴルジュ帯

この日は高沢出合いの少し手前のco.1125、井戸渕辺りで目の前に滝と釜を持つ良物件を見つけ行動終了した。焚き火しながら鍋と熱燗で冷え切った身体を温めた。

10月13日
朝一から目の前の釜を腰まで浸かって渡渉、いきなり目が覚める、高沢出合い手前のゴルジュで高巻きして懸垂した。

高沢出合を過ぎるとゴルジュ帯も終わり渓相も穏やかになる。


▲朝一から水に浸かる少し進むとゼンシリーズの第一弾の大ゼン、右から簡単に超えられる、その先に謎の巨岩ナマリ岩が現れ黒沢出合いをやり過ごす。


▲大ゼン
日が昇り谷に差し込む日の光と相まって紅葉が美しい

カギトリゼンは左壁のツルツルのスラブをカチをひろいながら登りロープをぶん投げて、フォローを迎える、
イワスゴゼンは右側をロープ出して登ったがロープは要らない程度、
スリバチゼン右側が簡単に登れそうだったが取り付くのに胸まで浸かりそうなので断念して左岸を高巻き。
ヘリトリゼンは普通に右側を歩いて登れた、通常はヘリ(落口)が見えるようだが水流が白波たって今回は見えず。水量が多いのかな。

またこの辺りはナメ床がつづきとても綺麗だった。


▲カギトリゼン、左のスラブを登った


▲イワスゴゼン、右から登った


▲イワスゴゼン、上から


▲スリバチゼン


▲ヘリトリゼン


▲ナメ

しばらく進んで小ゼン沢の出合い、本流には燕ゼンがかかる、小ゼン沢にはすぐに登れない滝がかかる、
今回は小ゼン沢の滝のすぐ手前の左から急傾斜の泥壁を登り落口にトラバースして巻いたがなかなかの悪さ、クライミング力があればすぐに巻けるのでおすすめ。


▲小ゼン沢出合い
右が本流の燕ゼン、左が小ゼン沢の滝

少し進んだところで右岸にとても快適な幕営地があり、少し早いが築城した。


▲良い幕営地だった

10月14日
小ゼン沢はその名の通り小さな滝が多くボルダー登りが続く、途中の二俣を左に進むと大滝が現れてロープを出す、滝のすぐ右のルンゼ状を登りバンドを左に、水流のすぐ右を直上した。


▲小ゼン沢途中の大滝


▲小ゼン沢のボルダー

その先から徐々に源頭の雰囲気になりだすが五三郎小屋が現れ薮こぎすることなく脱渓できた。


▲群馬県境稜線トレイル

ここからは、なが〜い群馬県境稜線トレイルを野反湖まで、大高山までの登りがなかなかキツイ、途中のカモシカ平は気持ちよかった。
群馬100名山のエビ山は山頂が草原で360℃のパノラマ、更にココからは野反湖が丸まったエビ🦐の様に見える。
だからエビ山なのか?

野反湖の白砂登山口駐車場まで戻ると3日前に見送ってくれた係の方が出迎えてくれる。新しくできた尻焼き温泉の立ち寄り湯を紹介してもらって、帰路についた。