06年剱岳5月合宿−小窓尾根・源次郎尾根・早月尾根


2006年5月2日夜行〜5日


★ 今年の連休は冬の偵察もかねて剱岳に行きました。連休の後半組なので「トレースばっ
 ちり階段登り山行」になってしまう可能性はありますが致し方ない。ラッセル山行は冬に
 とっておきましょう。結果的には連休前半は天気がいまいちだったのに対して、連休後半
 は昨年に引き続き、天気は全日快晴・雪質も最高と出来過ぎの条件でした。



小窓尾根隊  【山下・井上(哲)・津田・近藤・他1】

        
 朝日を浴びて馬場島を出発。
小窓隊は早月隊と分かれて早
月川を詰めて行きます。
 小窓尾根末端で池ノ谷と別れ
白萩川に入りすぐ先の雷岩で尾
根に取り付きます。 
 急な雪壁をあえぎながら登り
小窓尾根の稜線に向かいます。
(この時は混んでいたので 正規
ルートより少し奥のルンゼを登
りました。 
        

  
 2日目の朝、2260mピークから見るニードルとドームは
なかなか格好いいです。越えるのが大変そうですが、 実
際にはニードルの右肩下の雪のバンドをトラバースして
ドームとの間のギャップに降ります。 


     
 ドームの南斜面は緩やかな雪面でチンネや
剱尾根が良く見えます。この時はJCCパー
ティーが 剱尾根を登っていました。
 地形図で見るとテントが張れそうなマッチ
箱のピークは割と痩せていて、岩のリッジを
通過する ところでは初心者がいたらロープを
出した方が良さそうでした。


     
 小窓の頭手前の2650mピーク辺りに来ると
小窓の王がしっかり見えてきます。チンネや
池ノ谷ガリーも近づき良い眺めです。
 三ノ窓で一休みしようと思ったら、事故者
の搬出の手伝いとなりました。消防の防災
ヘリが三ノ窓に着陸して事故者をピックアッ
プして行きました。 


     
 ひと騒動の後、池ノ谷ガリーを
ひたすら登ります。夏のガラガラ
よりは歩きやすいですが、氷化し
てテラテラなので落ちたら止まら
ないだろうなあ。緊張します。
 池ノ谷乗越で源次郎尾根に行く津田・近藤組と別れて
1泊した後、本峰に登ります。後ろには一昨日・ 昨日と登
った小窓尾根がどっしりと横たわっています。


     
山頂で待つこと2時間。
この朝、山頂から源次郎
尾根を登に行った津田・
近藤が上がってきました。
小窓尾根+源次郎尾根+
早月尾根で「剱三昧」の
五月合宿となりました。
来年は八峰+剱尾根か?




早月尾根隊  【太田・和田・上坂・岩橋・石綿】

        
早月隊はいったん山
頂に登り、平蔵谷を
下って源次郎尾根の
取付へ向かいます。
新人の上坂もすっかりクライマー
姿がいたについて来ました。さす
が、山に登るために仕事をやめた
だけのことはあります。
源次郎尾根U峰の急
な雪壁を登ります。


        
U峰からの下りは懸
垂下降になります。
快晴無風で順番待ち
も苦になりません。
最後は山頂への急な
雪壁をひたすら登り
ます。
 
この日二回目の山頂。荷物が
アタック用品だけとは言え、や
はりシンドイものです。お疲れ
様でした。




早月尾根下山                

        
山頂直下は急なクサ
リ場です。冬に来る
時のことを考えて、
地形概念を覚えます。
雪が腐りはじめてい
るので、急な雪壁で
懸垂下降をします。
 
積雪量が多く雪に埋もれた早月小
屋のテント場に着いてやれやれです。
早い午後なのでのんびりテントを張
って装備を乾かして整理します。


     
時間があるので、新
人は雪上訓練。剱を
バックに行う隔時登
攀は実戦さながら。
さらに、雪洞設営の練習も
行いました。もちろんこの
日は自分で作った雪洞で泊
まります。 


     
これだけの人数になると
下山も壮観です。やはり
人数の多い合宿は最高!
河原まで降りると思わず
振り向いて山を見上げて
しまいます。


  
馬場島に戻って見上げる剱はまた格別です。
山桜の花も入山した時より華やかになって
春本番を告げています。これでアイゼンの
シーズンが終わり、夏岩シーズン到来です。


('06-12/28 アップ)