山行報告

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【山域・山名等】

カナダ ブリティッシュコロンビア BAGABOO遠征

【日時】

2006年07月14日(金)〜08月04日(金)

【メンバー】

近藤達也、他3

【日程】
14日(金)成田〜カナダ・カルガリー
15日(土)カルガリー〜バンフ(買い出し)
16日(日)駐車場〜(3.5h)〜BC(荷揚げ×2)
17日(月)「MacTech Direct」・「Energy Crisis」
18日(火)「Sun Shine Crack」
19日(水)レスト
20日(木)「Cooper Gran Route」
21日(金)「Wild Flower」
22日(土)レスト
23日(日)「Thacher Cracker」
24日(月)「Paddle Flake Dierct」・「Bagaboo north east ridge」
25日(火)レスト
26日(水)「Cameron's peak」
27日(木)「North Summit Direct」
28日(金)レスト
29日(土)レスト
30日(日)「Energy Crisis」・「MacTech Arete」
31日(月)BCより下山
01日(火)バガブー〜バンフ
02日(水)バンフ〜カルガリー
03日(木)カルガリー〜
04日(金)〜成田
 
【詳細】 07/14(金)晴れ
   日本発、カナダ・カルガリー着。無事に空港で現地組の二人に落ち合うことができ、そのまま車でバンフ方面へ向かう。 途中で、晩飯を作り就寝。

 
  07/15(土)晴れ
   バンフへと向かい、今回の買出しを行う。食料と足りない装備を各自で買足し、BAGABOO PROVINCIALPARKへ。 ところが最後の林道に差し掛かると、車から煙が・・・ どうやらクーラメントの破損によりオーバーヒートしたらい。 何とか駐車場へ到着。これで「しばらく」は車の心配から逃れることができる。しかし、途中、下山し買出し することができない状況となる。荷物をまとめて、明日の荷揚げの準備をして就寝。

 
  07/16(日)晴れ
   天気もいいが、荷物も多い。二回に分けて荷揚げすることとなる。小屋(KAIN HAT)までは二時間半。 テントサイトまでは三時間半とそんなに長くはないが、ひたすらの急登。時差ぼけの残る体には本当にきつい。 景色は氷河が雄大ですばらしい。

 
  07/17(月)晴れ
   さっそく登りに行く。疲れが残っているため朝は遅めであるが、夜23時まで明るいのでのんびりと出発。
●「MacTech Direct」 5.9 7P
 はじめの一本なので簡単、短めのを選びました。と思いきや2P目のワイドクラックで(近藤)リードの際 大き目のカムがぜんぜん足りず、激しくランナウトして登る。死ぬかと思った。 さらに天気がよすぎてのどが渇く。何はともあれ無事稜線まで登る。下降は支点があり問題なし。
●「Energy Crisis」 5.11+ 2P
 非常にきれいなライン。下から見るとクラックが非常に細く11+とは思えない。先発のアメリカ人ペアが 登るのを見て、その後に登る。1P目(近藤)は5.10だが、クラックが非常に細くなかなかいやらしい。  2P目(鈴木)はルーフに添ってフィンガークラックが走っている。何度かテンションをかけながらトップアウト。 フォローであがる際、登れそうな手ごたえを感じつつ、その日はベースに戻る。

 
  07/18(火)晴れ後雹
  ●「Sun Shine Crack」 5.11− 9P
 SNOWPATCHにある三ツ星ルート。カメラを忘れたが非常にきれいなライン。この日は前日と違い気温が低 く身にしみる。核心はルーフのある6P目(近藤)だが、気合を入れたものの大フォール。恐怖で自信を喪失し、 リードを交代。行ってもらいました。フォローだと特に問題なく通過。リードの難しさを感じました。 下降は同ルートで特に問題なし。

 
  07/19(水)晴れ
   レスト。雄大な景色を眺め音楽を聴きながらゴロゴロし、一日中食べ物を食べる。このままだと食料が足りなくなりそうだ。

 
  07/20(木)晴れ
   この日からsakuma と組んで登る。
●「Cooper Gran Route」 5.11 12P
1P目がわからず(崩壊したよう)エイドで登る。特にあぶみ等を持ち合わせていなかったので ルーフに四苦八苦(A2,3はある)。1P目に時間がかかりすぎて敗退。結局ルートがわからず。 敗退した下降の跡があった。

 
  07/21(金)晴れ
  ●「Wild Flower」 5.9 7P
 SNOWPATCHのサミットにダイレクトに登るルート。下部は汚いが、上部は非常に開けていてキレイだ。やっぱ り頂上は気持ちがいい。下降はすぐ脇に支点があり。

 
  07/22(土)晴れ
   レスト。天気がよすぎる。近藤、imai は食料をとりに駐車場に戻る。登り返しがつらい。疲れがたまっているのか・・・。

 
  07/23(日)晴れ後嵐
  ●「Thacher Cracker」 5.10+ 7P
クレセントタワーの頂上にダイレクトに登るルート。浮石も多く途中がわかりづらい。下降の歩きが悪い。でも気持ちがいい。 夜は想像を絶するほどのストームに見舞われる。Howser Towerに向かった二人が心配だ。

 
  07/24(月)晴れ後曇り
  ●「Paddle Flake Direct」 5.10+ 6P
●「Bagaboo north east ridge」 5.8 12P (継続)
 「Paddle・・・」は非常にわかりやすいルートでクラックも多くのバリエーションを楽しめる。そのまま「NERidge」に継続する。 こちらは簡単。後半は一気に駆け上がるマラソン状態。さすがは人気のお手軽ルート。 何より悪いのは、下降のためのサミット間のトラバースで、天気が悪ければ劣悪となるであろう。それを含めて下降が核心。

 
  07/25(火)晴れ後曇り
   レスト 一日中食べ物を食べる

  07/26(水)晴れ
  ●「Cameron’s peak」 5.11+ 7P
 ルート、特に上部の難しいピッチは非常にすばらしい。フェースの能力も必要。しかしあまり登られていない様子。 風が強く、寒さがつらい。下降が核心で、ナッツやヘキセントリック一つでの下降が続く。浮石や岩角に引っかかることも多く、 下降に相当時間がかかった。アプローチでのヒドゥンクレバスも要注意。初めてクレバスの恐怖を知りました。
 別働隊はHowser Tower のnorthへ。

  07/27(木)晴れ
  ●「North Summit Direct」 5.11+ 7P
 朝から体がだるかったが、とりあえず取り付く。一目瞭然と思っていたルートもあまり登られていないせいか、 わかりづらく、体調不良もあり下降。ご迷惑おかけしました。どうも疲れがたまっているらしい。とりあえず寝込む。

  07/28(金)
   レスト 別働隊の帰りを待つ。夜、suzuki、imai組みは無事に登り終えて帰還する。あっぱれ!

  07/29(土)
   レスト

  07/30(日)晴れ後吹雪
  ●「Energy Crisis」 5.11+ 2P
●「Mactech Arete」 5.9 7P
 帰国までに「Energy・・・」を落としたいと思い、imaiを誘ってクレセントスパイヤーへ。 しかしながら、日曜日ということもあり非常に混雑している。下降で待たされたためそのまま「Mactech Arete」を登る。 ムーブやプロテクションはもう頭の中で固まっており、登る気合は十分。と思いきやストームが襲来し、 ベースキャンプに帰還。その後吹雪となり、結局の登れずじまい。運に見放されました。

  07/31(月)吹雪後晴れ
   荷物をまとめて下山。どの国のパーティーも天候の悪さで下山するようだ。多くのお世話になった外国人 と別れを惜しみつつ大きな荷物を背負って下山。山の麓は晴れていました。車は何度もオーバーヒートしな がら何とか町まで。ガソリンスタンドに預けるためにその日はRASIUM HOT SPRINGSに野宿。

  08/01(火)晴れ
   ようやく午後には車が直り、いざバンフへ。しかし、車はオイル漏れを起こしている模様。 何とかたどりつき公園の駐車場で寝ていると、レンジャーに追い出される。キャンプ場へ行って就寝。

 
  08/02(水)晴れ
   バンフの見渡せる小高い山の上で久々のフェースクライミング。石灰岩のうすかぶりで非常に楽しい。 久しぶりのフェースで調子は今ひとつでしたがなんとか11Dをレッドポイント。指皮がすぐになくなりました。
 その後急いでカルガリーに向けて走り、夜にユースホステルに到着。4人での最後の晩餐を豪勢に楽しみ就寝。

 
  08/03(木)晴れ
   早朝の空港でこれからも旅を続ける二人と別れ、無事に時差ぼけを抱えつつ帰国。次の日は早速仕事。

 
 
  総括
   全体的に非常に天気に恵まれ、日照時間も長く数多くのルートを登ることができました。 ルートとしては全体的に支点は下降点以外にはなく、ビレイポイントは各自で判断しナチュラルプロテクション で的確にすばやくとらなければならない。特に軽装のスタイルで登るのでスピードを意識しなければならず、 的確なクラック技術が必要とされる。あまり登られていない非常にすばらしいルートも多いが、 大抵は下降が核心となり、岩登りの総合力を試される。クラックマルチピッチという自分にとって新しい分野を 登りこむことにより非常に多くの分野で応用できる技術を習得できた。 クライミングの能力としては特にクラックを登る技術が必要である程度登れれば多くのルートを楽しむことができる。 もちろんフェースの能力もあればなおよし。
 今回利用してはいないが山小屋の「KAIN HAT」は非常に快適で安くてお薦めだが、 アプローチの面ではひとつ上のキャンプサイトまで上がったほうが良い。 ここもキャンプサイトとしては至極快適。 ただし、突然のストームには要注意。


('06-08/15)