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12月25ヤ〜8日
北アルプス・剣岳赤谷尾根



01/01 20:47
 剣岳赤谷尾根の鈴木・増子・高橋は現在小窓の頭付近です。 明日は停滞の予定。天気によっては午後から移動するかもしれません。
 今後、2日夜、3日朝、5日しか移動できる日がなさそうなので、 三の窓、池谷乗越、早月小屋、で移動して、6日に悪天の中を下山になりそうです。
【増子】


01/01 20:59
 池ノ谷乗越、雪崩に注意して下さい。
【山下】


01/01 21:32
 ありがとうございます。
 明日は今夜の雪が雪崩そうなので、日と時間を選んで越えたいと思います。
【増子】


01/02 20:46
 本日午後から移動して池ノ谷乗越まで到達しました。 池ノ谷ガリーはクラストしていたので早く抜けられました。
 明日、本峰を目指す予定です。
【増子】


01/03 00:35
 大変お疲れ様です。距離的にはもう少しで本峰ですね。
 安全圏にはまだまだ時間がかかると思いますが、ここまでの時間と比較するともう少しです。 慎重にじっくり頑張ってください。
【太田】


01/03 16:21
 剱岳隊、池ノ谷ガリー無事越えられてホッとしました。引き続き気を付けて剱岳登頂、下山して下さい。
【杉山】


01/04 18:40
 剱岳の増子・橋・鈴木は無事伊折に下山しました。出し切りました。詳細は後ほど送ります。
【鈴木】


01/04 18:49
 良かった!(ヨカッタ!)さすがに心配していました。お疲れさまでした。
【古関】


01/04 19:17
 お疲れ様でした。気を付けて帰ってきて下さい。
【OB和田】


01/04 19:48
 古関さん、ありがとうございます。 ご心配おかけしましたm(_ _)m
 剱岳の天候など、大変勉強になりました!
【鈴木】


01/04 20:04
 お疲れ様でした。
 冬剣の素晴らしい山行だと思います。 悪天候の中、天候や状況を読み、辛抱しながらの山行で、アルピニズムの真骨頂の山行と思います。 太田個人的には、最大限の称賛に値する山行だと思います。
 年末年始の剣の北方稜線は、素晴らしいです。 本当にお疲れ様でした。
【太田】


01/04 23:23
 無事下山、よかったです。 冬剱完登、おめでとうございます。
【山下】


01/05 07:39
 山下さん、太田さん
 ありがとうございます!
 きつい山行になるとは予想していましたが、予想以上でした。 色々と鍛えられた山行でした。次なる目標を定めたいです。
【鈴木】


01/05 11:23
 明けまして、おめでとうございます。 本年もよろしくお願いします。
 少し長くなりますが、概要を報告します。

●《1日目》12/26 雪 【伊折〜馬場島〜赤谷尾根】
 伊折への上り坂から雪が出始め、出発して10分ほどでワカンを履く。 ゾロメキ発電所あたりから膝丈ほどのラッセル。 重荷と湿雪でびしょ濡れになりながら馬場島派出所に到着。
 赤谷尾根は蝸牛のみ、小窓に同じ日程で1パーティ、黒部横断2パーティ、早月尾根に4パーティとのこと。
 馬場島からすぐに空身ラッセルで腰下ぐらい(鈴木の体格で)。途中で小窓パーティが追いつく。 重荷と初日の疲労、今後の長丁場を考え、予定よりだいぶ手前だが赤谷尾根取付でテント泊。

●《2日目》12/27 晴れ 【〜赤谷尾根1500mぐらい】
 今回唯一、一日中晴れた。終日ワカンでの空身ラッセル。遠くに剱岳や北方稜線を望む。 1500m付近でテント泊。ラッセルにより行程が1日遅れ。

●《3日目》12/28 晴れのち風雪 【〜白萩山先のコル】
 赤谷山直下手前までワカンで空身ラッセル。赤谷山への最後登りはロープを出さずに通過。 赤谷山あたりから風雪となり視界が悪くなる。 稜線はクラスとしておりサクサク進み、白萩山を越えて赤ハゲとのコルの風を避けられそうな窪地にテント泊。

●《4日目》12/29 風雪 【ほぼ停滞】
 少しでも先に進めるつもりで出発するが、あまりの風雪に出発して10分で本日の行程終了。 雪洞を掘り中にテントを張る。明日先に進めなければ…撤退話も持ち上がる。

●《5日目》12/30 風雪 【〜赤ハゲ〜白ハゲ〜大窓】
 赤ハゲ〜白ハゲ間は視界が悪く、空と地上の境が曖昧。 雪庇もよく判別できず、不安を感じる部分では積極的にロープを出す。 白ハゲへの急な雪壁は高橋さんリード。 大窓への下りは懸垂2ピッチ+先頭だけ確保してさらに2ピッチで大窓。
 この日は視界が効かなかったが、増子さん、高橋さんの偵察の成果が存分に発揮された一日だった。 夜は富山市内の夜景が見える。

●《6日目》12/31 晴れのち風雪 【〜大窓の頭〜ローソク岩〜池ノ平山〜小窓】
 大窓の頭への登りは樹林帯とハイマツ帯に中途半端に雪が積もり踏み抜くこと多数。
 ローソク岩は黒部側を巻くことを試みて、 鈴木がリードするがシュルンドの対岸に足が届かずシュルンドに落下 (高橋さんにスタンディングアックスビレイで止めてもらう)。 素直に増子さんが空身でローソク岩を直登。後続はアッセンダーで登り反対側へ懸垂。
 池ノ平へ登る雪壁では鈴木リードで1ピッチ。ラッセルと切り崩しで待たせてしまう。 小窓への懸垂でヘッデンとなり19時頃まで残業。クライマーとして正しい大晦日となる。風下側を切り崩す。

●《7日目》1/1 風雪 【〜小窓の頭手前のコル】
 動けるか微妙な天気に加え今後の荒天予想により元旦から悲壮感漂よう。 完全防備で少しでも先に進め小窓尾根に合流することにする。途中ロープを2P出す。
 小窓の頭手前の斜面で雪洞テント。上部斜面から雪が流れてきてしまうため、すぐに入口が埋まる。 昨日の睡眠不足、連日の行動、悪天で、夜は3人ともグッタリ…。 翌日は冬型が予想されたため、ゆっくり起きて昼前から動けるようだったら動くことにする。

●《8日目》1/2 風雪のち雪 【〜小窓の頭〜三の窓〜池ノ谷ガリー〜池ノ谷乗越】
 昼前には落ち着いてきたので出発するが、やはり天気は悪い。 そこそこ順調に三の窓に到着。池ノ谷ガリーへは念の為、気休めだがコンテで入る。 下部2/3程はクラストしており一気に駆け上がる。ラストはラッセルになるが問題なく通過。 今回最も雪崩を警戒していた地点だったのでラッキーだった。
 池ノ谷乗越を切り崩しテント泊。雪は降っているが、風は弱いのが幸い。 脱出のメドが立ったのと、半日休養したからか、テントの中が心なしか明るい。

●《9日目》1/3 風雪 【〜剱岳〜早月尾根2600m付近】
 出発早々、急傾斜なため高橋さんの体格でバンザイラッセル、つまり2m越え…。 その後は順調に進み視界が無いが、感動の剱岳山頂。 写真を数枚撮って終了。
 早月尾根の下降はとにかく慎重に行こうと3人で再確認して下降開始。 最初の懸垂点はすぐに見つかるが、その後はルートを見失う。 日本海からダイレクトに真正面から吹き付ける風雪の中、必死にルートを探しながら右往左往。 増子さんが極寒の中GPSを操作しなんとか脱出…。
 早月小屋まで行きたかったが、日没になってしまい、2600付近で雪庇の下に半雪洞を作りテントを設営。 風は当たらない、雪は溜まらない、換気良好、崩壊のリスク小さい、最高のテンバができた。

●《10日目》1/4 雪一時晴れ 【〜早月小屋〜馬場島〜伊折】
 出発してからも気が抜けない下降が続く。 早月小屋手前で鈴木のすぐ前を歩く高橋さんが雪庇ごと落下したが、雪面が近かったため、事なきを得た。 長さ3mほどの大きな崩壊だった。 小屋が見えており、すぐ後ろを歩く鈴木も雪庇への警戒が疎かになっていて注意できなかった。反省…。 早月小屋からもトレースは無く、松尾平からうっすらトレースが出てくる。
 派出所にお礼と下山報告し、お茶をご馳走になる。 下山というよりも、大袈裟に聞こえるかもしれないが、『生還』とか『脱出』という言葉がしっくりくる。 馬場島からは雨のような湿雪のなかをただひたすら歩く。風呂と寿司のために。


鈴木の個人的な感想
 今回の山行は3人のチーム力を上手に発揮し、それぞれの長所をうまく融合できた山行だったかなと思います。 クライミングとは少し違う登山の総合能力を発揮した山行だったと思います。 山登りは工夫と発想次第ということも痛感しました。 増子さん、高橋さんには、準備の段階(偵察も!)から当日まで、大いに助けられ、大変感謝です。 本当にありがとうございました。 剱岳の天候も経験できたので、次なら目標を地図見ながら考えたいです。
【鈴木】


01/05 18:12
 太田からも明けましておめでとうございます。 概要の報告ありがとうございます。 報告内容からも、素晴らしい山行だったと改めて思います。
 太田が目標としていた山行内容の一つであり、願いが叶わなかった山行です。 サンナビキ同人、和田城志さんの山行を彷彿させ、それに近づく山行だと思います。 日本の山でのアルパインの一つの形ではないかと思っています。
 改めて、お疲れ様でした。また、剣の北方稜線トレース、おめでとうございます。
【太田】


01/05 20:54
 太田さん、暖かいお言葉、ありがとうございます。
 僕は二人におんぶにだっこでしたが、本当に素晴らしい経験をさせてもらったと思っています。 鈴木さんからの報告にあったとおり、極限の状態に向き合う中で、鈴木さんのリーダーシップ、 増子さんの知性、僕の土木作業力(テン場整備とバンザイラッセル)という素晴らしいチームワーク が出来上がったのが感動的でした。 引き続きよろしくお願いいたします。
【高橋】


01/07 20:06
 コメントくださったみなさま、心配してくださったみなさま、応援ありがとうございました。 3日経って、ようやく疲れも抜けてきた気がします。
 今回は本当にチーム力が試された登山だったと思います。 増子は深雪でのラッセル、特に下りが苦手なことを痛感したので、率先して道を切り開いてくれた二人に、 ほんとに感謝です。 個人的には、せっかくGWに下見に行ったのだから、 ビバークポイントや冬季に難所になりそうなところを事前にピックアップして、 キチンと下見しておくべきだったな、と反省しています。(この辺はオンサイト至上主義の弊害かも。) 今回の学びを活かして、次なる目標に向けてがんばっていきたいと思います。
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【増子】