遅くなりましたが、冬合宿前穂北尾根隊の下山報告です。 ●26日 予定通り6:00に沢渡Pからタクシーで釜トンネルに向かい、6:15頃行動開始 26日は大雪予報もありましたが沢渡Pでは積雪はほとんどない状態。 下部、傾斜の緩い箇所で積雪量が多かった場合スノーシューで入ることも考えましたが、 沢渡Pでの積雪ほぼゼロを見てやめました。 新村橋を渡ったあたりから徐々にラッセル。奥又白谷に入ると20cm程度。 夏道を詰める選択もあったのですが、石綿さんの過去の経験から慶応尾根を末端から歩くことにして、 1つ目のピーク約1,800m地点でビバーク。 ドカ雪予報は外れましたが、上空は雲があり上部は雪が降っているように見えました。 また気温は低く、急登を上がっていても汗はまったくかきませんでした。 本来の予定よりも下部でビバークすることになってしまいましたが、 予報を見つつ予め初日は低い標高でのビバーク想定で入山しました。 あとから考えるとこの日にもっと標高を上げておけば良かったのですが、あくまであとからの判断ですね。 ●27日 6:00行動開始。 ラッセル予測もあったので少しでも標高を獲得しておきたかったところです。 可能であれば8峰まで上がりたかったですが、結果叶わず2,450m付近のコルまででした。 標高が上がるとどんどんラッセルが深くなっていきましたが、 夏道とぶつかるまでは道の悪さにもかなり阻まれました。 雪もまったく安定せず、思うように進まず。 夏道と交差してからは積雪も増え、傾斜も増したことでラッセルに苦戦です。 何度も「ここでビバークしようか?」という石綿さんに「いや、もうちょい標高上げておきましょう」 と声をかけて進むことを繰り返しました。笑 ●28日 4:30起床するも前日予報通り大雪の暴風。少し寝直して、9:30行動開始。 テントを出ると青空が見えていて一気にモチベーション上がりましたが、反面風は非常に強く、 また見ている分にはとってもキレイな雪面は、容赦なく僕たちの体を沈めてくれるのでぜんぜん進みません。 ビバーク地点から8峰までの標高差200mに2時間以上かかり、さらに8峰からは一層ラッセルが深まり7峰まで2時間半弱。 この日、5-6のコルまで行ければ翌日空身アタックを考えていましたが、 日没までに5-6のコルに到達する算段が立たず、その後の天候や疲労度など鑑みてここで撤退を決意しました。 下山は一旦夏道との出会いを目指したものの、順調に進んでくれたおかげて1日目のビバーク地点へ、 その後徳沢へと足を伸ばし、僕は徳沢でビバークしたかったのですが「早く家族に会いたいから今日沢渡まで降りる!」 という石綿さんの熱意に負け、2019年の合宿に続いて、高橋はまたも12月28日の夜に上高地を歩き、 2019年よりも1時間ほど遅く、翌29日の0:00過ぎに釜トン出口に到着しました。 高橋がヒッチハイクを試みましたが4台ほど通過されたところで石綿さが業を煮やして空身で歩き始めるも、 その数分後に意地で高橋がヒッチハイクに成功。 岐阜ナンバーの暖房が効かず、ドアの窓を開け、 フロントガラスをタオルで拭きながら走る好青年に沢渡Pまで乗せてもらいました。 その後、石綿さんを拾って、釜トンに置いてきた荷物も回収し、 沢渡の足湯でアルパインクライマーソックスを洗って、握手で合宿を終えました。 (その後コンビニで再開しましたが) 結果登頂には至りませんでしたが、ブランク10年のおじさんと術後リハビリ中のおじさん2人で いろいろ相談しつつ、ルート/ギア/行程を工夫しつつトライしてみたことには一定の成果があったと思います。 石綿さん、いろいろとありがとうございました。 【高橋】 |