3月23ヤ〜27日
後立山・鹿島槍ヶ岳北壁中央ルンゼ




今回の状況です。報告書はまた作成いたします。

 24日鹿島槍ヶ岳天狗尾根より入山
 25日は強風の為テン場である程度風が収まった後北壁偵察。

 26日8時から鹿島槍ヶ岳北壁中央ルンゼ登攀開始。
 13時に直接尾根に到達。16時過ぎに北峰に到達。
 悪天の為下山ルートが分からず、しらみつぶしに尾根を探り東尾根を見つけましたが、 話し合いの末これ以上は危険なので東尾根分岐付近に半雪洞を作りビバーク。
 16時過ぎから20時過ぎまでほぼ視界が無かったので地図を見ながらひたすら尾根を行ったりきたりでした。 食糧はぬるま湯が800ml位とパートナーが行動食300kcal所持、高柳は1000kcal程残っていたので分け合う。 お互い全身びしょ濡れでしたが気温が高かった為ギリギリ低体温症にはならず。 ビレージャケットは高柳のウインドストッパー入り厚手ダウン一着だったので2人で上に羽織って座っていました。

 翌27日6:30位から下山開始。前夜から常にお互いの意識、身体の状態を確認しあい問題ありませんでした。 視界は良くありませんでしたが、天狗尾根を発見し降下開始。
 3回の懸垂降下後後は尾根歩きだったので高柳が先行する。
 9:30頃ダガーポジションで1-2m程クライムダウンの箇所を後ろにいたパートナーが滑落し100m程落下。 ロープは繋がっていませんでした。少し悪い所だったので高柳は安定した所まで移動し後ろのパートナーを見ていました。
 滑落後、すぐに落下地点に行き下を見るが全く見えず。 少し下りた所から大声で安否を確認しながら懸垂し様子を見に行きました。
 雪面を10m程滑り、ハングした岩場を飛び雪面に叩きつけられた様な場所にいました。
 足だけが雪面から出ているのを確認。まずは足を叩き反応があるか確認したが、反応無し。 固い雪をかき出し上半身を出し、脈、呼吸を手と頬を近づけ確認しましたが確認できず。 気道を確保しパートナーのカラビナに懸垂下降したロープの末端を固定し、登り返しをしました。
 お互いの携帯がテン場にある事はわかっていたので直ぐにテン場(天狗の鼻)に戻る。 12:50位にテン場に戻り、蝸牛の別パーティーの携帯で警察に連絡。
 28日回収作業開始を見た後下山開始。下山後大町警察署で事情聴取の後、病院にてご家族、 日本登攀クラブの方々とお見送りしました。
【高柳】