谷川岳一ノ倉沢 衝立岩中央稜

日 程 2024年10月13日(日)-2024年10月13日(日)
ルート 谷川岳一ノ倉沢 衝立岩中央稜
メンバー 先生、金、池
■形態:アルパインクライミング
■装備:登攀基本+アルパインヌンチャク各自4本(カム不使用)
■天候:晴れ
■山行報告
実はこの前週も谷川には来ていた新人の池です。 諸事情あり今回やっと谷川デビュー。
さて三連休、約束された好天!
当初は南稜予定だったけど、ヒョングリの滝で他パーティに行先確認すると我々含めて6パーティが南稜入りすることがわかり、先生の判断で中央稜に転進決定。
初めてのテールリッジ、乾いて歩きやすいはずなのに選択を誤った靴(縦走用)で体力を削られまくり。アプローチシューズというジャンルがなぜ存在しているのかを思い知る。

▲先行も後続も続々
3人なので、金さんがロープをダブル繋ぎ、先生と私がシングル繋ぎで、ツルベ。最弱の私はリードピッチでも2番目で登り、ラインはトップを踏襲しながら進む。
1P 凹角から逆層フェース 40mⅣ
金さんリード。さすが先週も谷川を登っている男は違う。
新人初の谷川の岩の感想は「細かい…滑る…難しい…」 フォローで登って不安を口にすると先生から「中央稜は4Pまでが難しくて後は簡単だから大丈夫」との助言があり気を引き締める。
2P 階段状のルンゼ 25m Ⅱ
先生リード。岩場はⅡなのかもしれないけど烏帽子沢スラブ側の細いトラバースで悪く総合的な個人的体感はⅢ+。下を見なければ行ける、見たら進めない。でも見る余裕ないから行けちゃう。要するに怖い。

▲谷川の高度感の洗礼…
3P カンテを右に回り込み凹角からフェース 25m Ⅲ 金さんリード。さすが先週も(略)
回り込んで直上する体感はⅣ+に感じた。安定した所に来ると上から「ヤバいとこ抜けたな、大丈夫だ」と先生の声が聞こえ、ホッとしながらビレイ点に向かう。

▲さすが!
4P フェースからチムニー、またはフェース25m Ⅴ−
先生リード。先生はフェース選択。
しかしビレイ点に着いた先生から「俺の方のロープで中間確保して登ってきて」との指示。あ、ここやっぱりヤバいのか。トップロープ状態で登っていくと上部でフェースとチムニーの2本のラインがあり、フェースは細かく、逆層で微かぶり。滝の乗越にあるような、個人的に苦手なやつだ。見た瞬間、投げ出される絵しか見えず諦め、チムニーに逃げ込んだけど、外傾でA0しまくり、ザックの摩擦も利用してずり上がる有様。どんな手も使う本領発揮…。 金さんもチムニーから上がってきた。
5P ルンゼから凹状フェース 25m Ⅲ
金さんリード。 確かにそれまでよりは厳しく感じない。
ジメジメしているが、日差しが強いので遮られるのがちょうど良い。
6P 右上のピナクルへ、フェース Ⅲ+
先生リードに続いて、ランニングは同じ所を取らせてもらって私も疑似リード。ここは開けているし乾いていてとても快適に登れた。

▲いちばん快適で楽しいピッチ
7P ⅡとⅢ
金さんリード。草付に突入。
トポ上残り100mなのでロープギリギリでピッチを切る。

▲晴れていて咽喉がカラッカラに…
8P ⅡとⅢ
池リード。最後だし、もはや階段なのでやらせてくれた。ポイントは直上せず右側の踏み跡をトラバースしていくこと。直上すると凹状岩壁の終了近くに行ってしまうそう。 立木にランニングを取りながら50mロープいっぱいで衝立の頭に到達。

▲衝立の頭で休憩
快晴無風、暑さもあったけれどだいぶ緊張していてピッチ終了毎に喉がカラカラで張り付く感じがあった。初めての魔の山・谷川岳の勝手なイメージ、実際の岩場の威圧感、一歩間違えばサヨナラの切れ落ち。これ以上ハングしたり細かい所はまだ無理だと痛感。
トップアウトは衝立の頭。紅葉が始まり、穏やかな秋空のもとで大休憩。
下降は北稜懸垂で12時から始めたが、空中懸垂もあり時間がかかり、日没ギリギリに懸垂終了。衝立前沢〜一ノ倉沢は闇のヘッデン下降となった。薮と沢の下降、一部大滝ヘッデン懸垂。未経験の履修項目をガツガツとこなさざるを得ない状況。私は靴とヘッデンに問題があり、だいぶご迷惑をおかけしてしまいましたが強いリーダーとメンバーのおかげで無事下山。

▲空中懸垂の支点は若干フワついた立木だった
ありがとうございました!