山行報告



【山域・山名等】

八ヶ岳・赤岳西壁ショルダーリッジ左ルート

【日時】

2005年04月08日(金)夜行〜04月10日(日)

【メンバー】

CL山下眞一・近藤達也・津田 暢・井上哲也 

【ルート】
18日(金)あざみ野駅前(23:00)-(2:30)美濃戸やまのこ村駐車場
19日(土)やまのこ村駐車場(6:50)-(9:00)行者小屋(9:20)-(10:30)文三郎新道下降点 -(11:00)取り付き-(16:00)ショルダーの頭-(18:00)赤岳鉱泉-(19:30)美濃戸
20日(日)(5:30起床)やまのこ村駐車場(7:30)-(9:00)南沢大滝(15:30)- (16:30)美濃戸(17:00)-(18:30)小淵沢IC-(21:00)新百合ヶ丘
【詳細】 04/09(土)晴れ
   4月8日夜行にて美濃戸のやまのこ村まで入り、駐車場に車を止めテントを張り幕営しました。 9日は5時30分頃起床し、朝食を済ませ6時50分頃行者小屋を目指し出発。 登りだしの登山道はアイスバーンになっていて歩きづらい状態でしたが、高度を上げていくうちに雪質も良くなりました。
 9時過ぎに行者小屋へ到着。休憩を取りながら近藤さんを中心に山下さんから今回のルートの説明を受けました。 その後、文三郎新道を登り尾根の途中でアイゼン・ハーネスを付け登攀準備をしました。主稜には、既にいくつかのパーティーが取り付いていて、 我々の前を先行していたパーティーもすぐ上で主稜に取り付く準備をしていました。
 10時30分、近藤さんを先頭に津田さん、井上、山下さんの順番で雪面をトラバースしショルダーリッジ左ルートの 取付点に向かいました。到着後、山下さんよりパーティーの振り分けを指示されパーティーT(リード:山下さん・セカンド:井上)パーティーU (リード:近藤さん・セカンド:津田さん)、初登攀の私には基本的なザイルの出し方やビレイの仕方、声のかけ方など指導し ていただきました。準備が整ったところで登攀開始です。
1ピッチ目
 山下さんは、近藤さんのルートファインディングの指導をするため急な雪面を少し先行し、後から近藤さんが付いていくような 感じで登り始めました。私は、2人の登り方を参考にして自分の順番がくるのを待っていました。「ビレイ解除!」 「ビレイ解除OK!」「ロープいっぱい!」「登ります!」などと教えられた声出しを行い、登攀を開始しました。 雪は、意外にしっかりしていてバイル・アイゼンもよく効いたと思います。
2ピッチ目
 今度は近藤さんが先行しました。登り出しにこそ雪がありましたが後は少しなだらかな斜面の岩と草付が続きました。
3ピッチ目
 山下さんが先行しました。登り始めから垂直に近い壁が現れました。高さにして5mほどだと思います。 山下さんから岩が剥れやすいので加重の掛け方を指導されました。
4ピッチ目
 傾斜はあまりきつくありませんが脆いリッジで岩が剥れやすく慎重に登りました。 5ピッチ目
 急な草付きから階段状に岩が出ている所で、結構高度感がありました。
6ピッチ目
 緩やかなリッジですが、雪が積もってナイフリッジになっている所がありました。足下の雪が崩れそうで緊張しました。 6ピッチ目を終えたところで「一本」取りました。4人がザックを下ろして休めるだけのスペースがありました。
7ピッチ目
 山下さんが先行し近藤さんが後に続きました。傾斜は少しきつく岩も剥れやすいルートでした。途中、岩を巻く場所もありました。
8ピッチ目
 出だしこそ岩場でしたが後は草付が続きました。
9ピッチ目
 山下さんからビレイポイントの注意を受け、今度は私が先行しました。緩やかな斜面の草付きでした。
10ピッチ目
 山下さんが先行しました。9ピッチ目からは多少岩場がありますがほとんどが草付きでした。
11ピッチ目
 先ほどのビレイポイントがあまりひどく山下さんから注意を受けました。草付の斜面を私が先行して登り、 今度は下からビレイポイントを指示していただきました。
12ピッチ目
 岩場が多くなりましたがそれほど難しくは無いルートだったと思います。
13ピッチ目
 山下さんと入れ替わり登り始めるとすぐ「ショルダーリッジの頭」に出ました。登攀終了です。近藤さんと津田さんも途中 からつるべ式で登攀を行い、順番に「頭」に出ました。時間は、既に予定時間を大幅にオーバー、午後4時半を過ぎていました。 ここで赤岳山頂をあきらめ地蔵尾根を行者小屋に向けて下山しました。
 行者小屋を経て赤岳鉱泉で休憩しました。名物のアイスキャンディはもう大分溶けていました。テント場には、3張りくらい テントがありました。宿泊客も多少いるようでした。辺りも大分暗くなりここからヘッドランプの準備をして美濃戸口へと下山しました。
 午後7時半頃、無事下山しました。水の確保をして車で林道を戻り、美濃戸口から少し先の河原に移動しました。テント設営後、 4人で夕食をとり早々に就寝しました。
以上、報告になります。

  反省
   私の体力・持久力不足で全体の行動が遅くなってしましました。今回は、事故も無く下山できましたが行動時間が長いルートでは、 登攀中に暗くなり行動不能になってしまうケースが考えられます。先を行く近藤さんや津田さんのペースに合わせようと無理をする ため集中力を欠き、余計なミスを犯してしましました。
 セカンドで登っているので山下さんのヌンチャクの掛け方やクリップの仕方、セルフビレイの取り方などもう少し観察しておけば よかったと思いました。次回、チャンスがあれば勉強したいと思います。
 まずは、体力・持久力をアップして集中力を切らさず持続できるようにトレーニングしたいと思います。 そしてバリエーションのレベルアップをしていきたいと思います。

  感想
   登攀中は緊張のあまり喉が渇き、息が切れ「俺は、何しているの?」「無理なんじゃないの?」などと思っていましたが、 とにかく「ショルダーリッジの頭」に出たときは、感動しました。緊張が解き放たれ眼下に広がる景色や山並みを見たときは、 何ともいえない充実感と達成感が混在して「来てよかった!!」と思いました。
 反省にもなりますが、登攀中は「いっぱい、いっぱい」で私が取ったビレイポイントの僅か1m先にもっと立派なポイントが あったり自分のスリングに足を引っ掛けたり余裕がありませんでした。今後は、体力は基より知識や技術とそれをこなす実行力 を養って行きたいと思います。(記録:井上(哲))

   

('05-04/15)