山行報告


【山域・山名等】

丹沢・中川川流域・西沢・本棚沢
【日時】

2002年07月13日(土)夜行〜14日(日)

【メンバー】

井上徹三・和田善二・白根 武・鈴木真理子(記)

【ルート】13日(土)横浜(22:00)→(24:00)西丹沢自然教室駐車場
 14日(日)駐車場(07:10)→(07:50)本棚沢F1下(08:30)→F1上→F3→F6→(11:30)畦が丸稜線(12:00)→(13:30)西丹沢自然教室駐車場→横浜


【詳細】07/13(土)
   22時に白根さんの家の辺りを出発。東名を使って大井松田からR246へ。西丹沢自然教室は久しぶりなのでちょっと道を間違えて玄倉の方へ行ってしまい引き返す。 24時くらいに自然教室の駐車場に到着。途中何台か路駐の車はいたが、駐車場には1台もいない。その後何台か入ってきた。 駐車場の向かいの草原にテントを張っている人もいた。車の中で就寝。シュラフカバーだけでも暑くて寝苦しく、途中で窓を少し開けたが、それでも明け方まで暑かった。

  
 07/14(日)
   夜のうちに雨が降ったがとりあえず曇り。すっきりとしない天気でまた一雨来そうな感じ。7時に井上さんたちとこの駐車場で待ち合わせの予定であったが、6時半くらいに は井上さんたちが現れた。白根さんと私は一応本棚を登る予定で9mmロープ2本、ガチャもいっぱいのフル装備。途中の橋が流されているということで、駐車場から沢靴の支度。
 7:10出発。ほぼ沢沿いを歩いて本棚(F1)下へ。

 F1(70m、1PW、2PX)
 水量が多い。いつもは涸れているはずの左岸側の滝(?)も水が流れている。1P目でも十分水を浴びそうであるが、そこは傾斜も比較的緩く何とか登れそうであるが、2P目はとても悪そう。 いったん流れの中心よりを登らないとならないが、単なるシャワークライムというよりは水勢に落とされてしまいそうだ。落ち口の辺りもごうごう流れている。ここを登るのは諦めて高巻くことにする。 高巻きは右岸から。F1・F2を高巻いたところでハーネスをつけて登攀の準備をする。

 F3(7m)
 白根さんがトップ。支点が少なく悪そうなので荷物は後から引き上げることにする。滝の右岸寄りにルートを取る。ランニングは出だしと滝の落ち口の少し下の2箇所。 本流の中に右手を伸ばすが悪そう。A0で越して行く。その後思ったよりロープが出たので私が間に入るには長さが足りないということで、私はロープにプルージックをかけてセルフビレイで登ることになる。 出だしのフレークがぼろぼろでつかんだところが崩れ、ちょっと足を滑らしてヒヤッとする。その後はひたすら崩さないように慎重に手と足を置き上がる。 思ったより靴底のフリクションが効くのでレイバック気味に・・・、などと思うとホールドの岩が動く。やり慣れないのでプルージックを上に上げるのをつい忘れてしまう。 白根さんは沢の左岸側でビレイをしているらしく、ロープが2本目のランニングから先は大きく左岸側に渡っている。うーん、この2本目のランニングをはずすと思い切り体が右に引かれそうだ・・・。 ただでさえプルージックなのでロープとともに一気に引かれそうで不安になる。右に引かれるのとプルージックが煩雑で2本目のランニングをはずすのに時間がかかってしまう。 ロープが思い切り右に引かれている状態で苦しい中、左手でヌンチャクをしっかりつかんでプルージックを何とか引き上げる。ロープを体の上に戻したいが水流に負けてどうしても左岸側にたわむ。 ちょっとロープと格闘。と、このとき突然ロープがまっすぐに・・・。先に左岸から登っていた和田さんが上からロープを直してくれたようだ。 登りやすくなったのでロープが戻らないうちに滝の上に上がってしまう。そのままビレイ点へ歩く。
 次は白根さんのザックを引き上げる。白根さんが落ち口の方に引き上げのサポートに行ったので私がビレイを代わる。最後に井上さんが上がってくる。 上がってくるとすぐに白根さんにビレイする場所が反対側だと言う。私も心の中で(その通り!)と思うが、でも反対側にはビレイポイントになりそうな木も岩もなくて、 私がトップでも同じ場所でビレイしたに違いない。セカンドだから多少登りづらくても仕方ないのかな、と納得することにする。 それより、井上さんは荷物を引き上げるときにばらばらと落ちた落石を避けようと滑って肘の辺りをぶつけてしまったらしい。痛そう。 確かにあのぼろぼろの岩だと結構な落石があったように思われる。

 F4(10m)
 解説通り大きな倒木が本流に向かって倒れている。トポには『夏場の炎天下なら倒木を頼りにシャワークライミングに挑戦しても良いが・・。』と書いてあるが倒木を手がかり? というのも大変そうである。アイゼンをつけて倒木を登るならとにかく・・・。水量もかなり多くて悪いので高巻く。

 ここからはしばらく沢歩き。休憩を取る。和田さんがお湯を沸かしてコーヒーを入れてくれる。お茶菓子付。 濡れて少し冷えた体に温かいコーヒーがありがたい。歩くのには涼しくて良いが、シャワークライムにはちょっと寒い気候だ。

 F5(5m)
 ここはロープをつけずに左岸側を登る。井上さんがトップ。続いて和田さん。その後に私。高さもあまりなくホールドもそこそこあるが、 後半が特に岩がぼろぼろで、ちょっと緊張する。試しに浮いている木の根をちょっと引っ張ってみる。私の頭くらいの岩が落ちてしまい、 下にいる白根さんに向かって慌てて『ラーク!ラーク!』と叫ぶ。ちょうど取り付こうとしていた白根さんがかろうじて避ける。 うかつなことをしてはいけない・・・。とにかく慎重に岩が動かないことを確かめながら登る。途中の大きなガバと思われた岩も力を入れると動く (この岩は後から白根さんが下に落としてきたらしい)。

 F6(6m)
 井上・和田、白根・鈴木でそれぞれロープをつけて登る。ここも左岸寄りのルート。井上さんが先頭で登る。 さすがにバランスが良いなーと感心してしまう。次に和田さんがセカンドで登る。次は白根さん。 ランニングが一箇所もないし、下は小さな滝壷で、そこからさらに下に落ちる可能性のほとんどない平らなところなので トップのビレイはせずロープを出すだけ。短いが岩がもろいのと比較的ホールドが小さいのでハイスタンスでバランスを取 りながら体を引き上げる。

 そこからはまた沢歩き。本流と支流の見分け方を井上さんに教わりながら歩いていく。少し歩くと2つに分かれる。水量が多くて支流も結構水が流れているし、 分岐している先の両方に赤テープがあったりしてルートの判断がしづらい。ケルンのある右側を進む。ルート図通り右から支流が入っている事を確認する (ように教わる)。二俣を左俣に進む。そろそろ水が涸れてくる。が少し行くと分岐で左から水が流れている。 まっすぐの方が川底が低いし、ルート図通りのように思えるが、こちらは水が涸れている。解説にあるゴルジュ状?には私には見えない。 井上さんと白根さんがそれぞれ右(まっすぐ)と左を確認しに行く。結局まっすぐ進むとまた水が流れていて、解説にあるナメも出てくるということで、 まっすぐ進む。トポでは『3m滝、2段4m滝を右から巻く』と書いてあったが、巻くような滝は見当たらなかった。 その後傾斜が増して、『白いガレ』になる。ぼろぼろで悪い。井上さん、和田さんはそのまま詰めたが、私と白根さんは少し手前で右側(稜線側)にトラバース。 これでも足場の悪い泥。そーっと体重を移して行く。傾斜のきついフェースより緊張する。ちょっとだけ藪をぬって畦が丸の稜線に出た。 お疲れ様の握手をして、靴を履き替え、一休みして登山道を下る。
 時折ハイカーとすれ違うが、表丹沢に比べてとても静か。天気がだいぶ回復して空が明るくなり、汗ばんでくる。のんびり下って13:30頃自然教室の駐車場に到着。 ここで井上さん・和田さんは着替えてそのまま井上さんの車で帰路へ。私と白根さんは着替えずにそのまま中川温泉の『ぶなの湯』に行き、温泉につかってから横浜へ。 海老名SAの少し手前で長田君から私の携帯に連絡が入る(15:49)。 笹子沢に行った池崎さん、古関さん、鎌田さん、長田君の4人はそのとき降りてきたところだという。 そういえば源次郎沢にいった先生と長谷川さんははどうしたかなぁ。その後海老名SAでご飯を食べてほどなく横浜へ。 渋滞の先頭くらいだったようで、たいした渋滞にも遭わず、明るいうちに帰宅した。

  
   シャワークライムには少し涼しい気候でしたが、歩くのにはちょうど良いくらいで、F1の本棚を高巻いたので適度な登攀 と沢歩きで快適でした。沢も少し慣れて来たので楽しめるようになりました。

('02-08/25)